1.投資概要

 株式会社みらい創造機構(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:岡田 祐之、以下、みらい創造機構)は、みらい創造二号投資事業有限責任組合(以下、みらい創造二号ファンド)より、習慣化アプリ「みんチャレ」を開発、運営するエーテンラボ株式会社(所在地:東京都中央区、代表取締役CEO:長坂 剛、以下、エーテンラボ)に新規投資を実行致しました。エーテンラボは、株式会社ファストトラックイニシアティブ、鎌倉投信株式会社等、計6社から資金調達を実施し、今回のA2ラウンドでの調達額は、合計4.4億円となります。この調達により、法人向けビジネス部門の採用を一層強化し、インパクトスタートアップとして、自社の事業を通じ高齢化社会の課題解決と経済的な成長を両立します。

     

   

2.投資先事業概要

 

 高齢化社会の我が国では、健康寿命はそのままに、不健康である期間が長期化しています。自身の生活習慣を変えることで健康寿命を伸ばすことができますが、体に染み付いた生活習慣を変えることは難しく、日々の行動に対する改善点や評価を伝え、軌道修正を促すことが重要です。

 エーテンラボは、健康習慣が「始められない」「続かない」という人が楽しく行動変容できる独自の技術デジタルピアサポート※1 で新たに立ち上げた2つの法人向け事業を軸に、医療・ヘルスケアの課題を解決します。

※1 デジタルピアサポート:オンラインで同じ境遇の仲間同士が支え合い、励まし合い、課題解決を図ること。「ピア」は仲間を、「サポート」は支援を意味する。<特許第7320881号>

 自治体向け「みんチャレフレイル予防・デジタルデバイド解消」では、地域のシニア同士がチームを組んでチャットで会話を楽しみながらウォーキングが継続でき、さらにスマホを持ち歩く習慣が着くことでデジタルデバイド解消にもつながります。シニアのフレイル化やデジタルデバイドに課題を持つ自治体に導入が進み、サービスリリースから3年で累計29自治体の高齢者支援事業をサポートしています。

 法人向け「みんチャレ禁煙」は、禁煙研究の第一人者である産業医大・大和浩教授監修のプログラムであり、喫煙者同士のピアサポートと、禁煙補助薬(ニコチンガム・ニコチンパッチ)で禁煙をサポートします。みんチャレ禁煙を導入した企業では禁煙を試みる人が大幅に増加し、禁煙成功率は平均52%(2024年1月現在)と高く、これは禁煙外来の成功率31%を上回っています。サービスリリースから1年で大手健保を中心にのべ20社以上に導入され、これまでに合計1,403名がプログラムに参加しました。

 

 上記2つの法人向け事業は、高齢化社会において大きな課題となっている医療費・介護費抑制、健康保険組合における医療費適正化に貢献するサービスです。サービス導入の現場における実績と共に、大学等アカデミアとの共同研究により、高齢者のフレイル予防や禁煙対策について効果エビデンスを取得しており、今後はその機能・効果を、自治体や健康保険組合に広く展開していく非常に面白いステージにあります。仲間同士の支えあい=ピアサポートにより、社会課題を楽しく解決するエーテンラボの成長を支援して参ります。

     

3.投資先会社概要

会社名エーテンラボ株式会社
設立2016年12月21日
所在地東京都中央区日本橋二丁目1番17号丹生ビル2階
代表取締役CEO長坂 剛
URLhttps://a10lab.com/
大学関連山梨大、千葉大、東海大、慶應大等複数の大学と共同研究を実施

      

   

4.みらい創造二号ファンド概要

 みらい創造二号ファンドにおいては、東工大やLPの皆様、他の連携先と密に連携しながら、東工大関連ベンチャーの創出/投資/育成を進めると共に、高等専門学校へファンドによる支援領域を拡げ、東工大を中心とした技術・技術者によるイノベーション創発をより一層推進して参ります。

<投資対象>

  1.  東京工業大学“発”ベンチャー
    東工大が認定する東工大発ベンチャー称号を持つベンチャー、東工大の研究成果を活用したベンチャー、東工大と企業との共同研究から生まれるジョイントベンチャー
  2.  東京工業大学“着”ベンチャー
    東工大の技術・研究成果を導入、または導入予定のベンチャー
  3.  東京工業大学“人”ベンチャー
    東工大の在校生・卒業生・教員等が創業/役員として経営責任を担うベンチャー
  4.  高等専門学校関連ベンチャー
    高等専門学校(以下、高専)の技術・研究成果を活用したベンチャーや、在校生・卒業生・職員が創業/役員として経営責任を担うベンチャー
  5.  その他の大学・研究所関連ベンチャー/企業からのスピンアウトベンチャー等有望な技術系ベンチャー

     

5.みらい創造機構会社概要

 2016年に東京工業大学と社会連携活動の推進に向けた組織的連携協定を締結し、東工大関連ベンチャーキャピタルファンドを設立・運営しております。2016年に1号ファンド、2021年2号ファンドを設立し、投資実績としては、東工大関連ベンチャーを中心に研究開発型スタートアップへ現在までに45社への投資を実行し、3社が上場しています。

 JST START事業の事業プロモーターとして活動している他、GTIE協力機関、メンターを務める等、研究段階から起業後の資金調達、ハンズオンまで、技術の社会実装に伴走し”みらいを創造する”活動を行っています。

 2023年度NEDO「大学発スタートアップにおける経営人材確保支援事業(MPM)」に採択され、客員起業家(EIR)制度を運用しながら、研究開発型スタートアップへの経営人材供給・育成にも取り組んでいます。大学系VCや中小機構、北九州市、つくば研究支援センターと連携協定を結び研究開発型スタートアップをとりまくエコシステム形成を進めています。

   

カテゴリー: VC