1.投資概要

 株式会社みらい創造機構(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:岡田 祐之、以下、みらい創造機構)は、みらい創造二号投資事業有限責任組合(以下、みらい創造二号ファンド)より株式会社エネコートテクノロジーズ (所在地:京都府久世郡久御山町、代表取締役:加藤 尚哉、以下、エネコート)に新規投資実行致しました。

 今回、エネコートは、シリーズBラウンドにて、未来創生 3 号ファンド、KYOTO-iCAP1号ファンド、JGC MIRAI Innovation Fundおよびみらい創造二号ファンドを引受先とした第三者割当増資において、総額約21.5億円の資金調達を実施致しました。

     

2.投資先事業概要

 株式会社エネコートテクノロジーズ(以下、エネコート)は、京都大学化学研究所若宮淳志研究室の研究成果を社会実装するために設立されたスタートアップ企業で、次世代太陽電池の大本命であるペロブスカイト太陽電地の材料開発、モジュールの製品化に取り組んでいます。

 2050年のカーボンニュートラル実現に向け、太陽光発電設備の更なる普及が期待されています。そのために既存の太陽光発電技術の課題(「重い」、「柔軟性に乏しい」、「製造工程で大量の電力消費やCo2を排出」など)を解決する次世代太陽光発電技術が求められています。エネコートが開発するペロブスカイト太陽電池は「薄く」「軽く」「曲がる」「製造工程でのエネルギー・CO2排出低減」といった性質と既存太陽光発電と同等以上の高い発電効率を有し、既存技術では難しい建物の壁面や耐荷重の小さい屋根などへの適用が見込まれています。

 また、既存の太陽光発電では十分な発電効率が得られない、曇り空や室内光などの中・低照度領域においても高い発電効率を有しており、分散型発電によるIoTセンサー・ウェラブルデバイスの普及への貢献が期待されます。

 エネコートが開発するペロブスカイト太陽電池は、設置場所や照度の点で、既存技術を凌駕し、カーボンニュートラル実現への貢献が期待されます。 今回の出資は、エネコートが目指す「ペロブスカイト太陽電池で未来を創ります」というコーポレートスローガンを実現するための戦略的パートナーシップ構築と長期成長に向けた基盤づくりを目的とするものです。

     

3.投資先会社概要

会社名株式会社エネコートテクノロジーズ
設立2018年1月11日
所在地京都府久世郡久御山町佐古外屋敷43番地の1
代表取締役加藤 尚哉
URLhttps://enecoat.com/
東工大/高専関連取締役CTO 堀内 保氏が福島工業高等専門学校出身

      

   

4.みらい創造二号ファンド概要

 みらい創造二号ファンドにおいては、東工大やLPの皆様、他の連携先と密に連携しながら、東工大関連ベンチャーの創出/投資/育成を進めると共に、高等専門学校へファンドによる支援領域を拡げ、東工大を中心とした技術・技術者によるイノベーション創発をより一層推進して参ります。

<投資対象>

  1.  東京工業大学“発”ベンチャー
    東工大が認定する東工大発ベンチャー称号を持つベンチャー、東工大の研究成果を活用したベンチャー、東工大と企業との共同研究から生まれるジョイントベンチャー
  2.  東京工業大学“着”ベンチャー
    東工大の技術・研究成果を導入、または導入予定のベンチャー
  3.  東京工業大学“人”ベンチャー
    東工大の在校生・卒業生・教員等が創業/役員として経営責任を担うベンチャー
  4.  高等専門学校関連ベンチャー
    高等専門学校(以下、高専)の技術・研究成果を活用したベンチャーや、在校生・卒業生・職員が創業/役員として経営責任を担うベンチャー
  5.  その他の大学・研究所関連ベンチャー/企業からのスピンアウトベンチャー等有望な技術系ベンチャー

     

5.みらい創造機構会社概要

 みらい創造機構は、2016年に東京工業大学と社会連携活動の推進に向けた組織的連携協定を締結し、33.4億円の東工大関連ベンチャーキャピタルファンドを設立・運営しております。2020年には高専キャリア教育研究所を100%子会社化し、2021年に設立した2号ファンドにおいては、投資先を東工大関連ベンチャーに加え高専関連のベンチャーにまで対象領域を広げて活動しています。
 投資実績としては、東工大発ベンチャー称号を保有する投資先の株式会社ツクルバ、KIYOラーニング株式会社が、2019年、2020年と連続して東証マザーズに新規上場、2021年には株式会社QDレーザが新規上場し、3年連続で3社が上場しています。
 大学系VCであるQBキャピタル合同会社、京都イノベーションキャピタル株式会社、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社や中小機構、北九州市と連携協定を結び大学関連ベンチャーをとりまくエコシステム形成を進めている他、2022年にはグロースチームを組成し、“Deep Tech”スタートアップの事業成長に向けた多面的な支援を提供しています。

     

カテゴリー: VC