次世代薬剤吸収・送達技術を開発するNOVIGO Pharma株式会社に追加投資を実行

1.投資概要

 

株式会社みらい創造機構(所在地:東京都港区、代表取締役社長:岡田 祐之、以下、みらい創造機構)は、みらい創造二号投資事業有限責任組合(以下、みらい創造二号ファンド)よりNOVIGO Pharma株式会社(福岡県福岡市、代表取締役:石濱航平、以下:NOVIGO)に追加投資を実行しました。

NOVIGOは、JMTCヘルスケア投資事業有限責任組合(無限責任組合員:JMTCキャピタル合同会社、東京都中央区、職務執行者:浦田興優)、日新イーエム株式会社(東京都新宿区、代表取締役:丸田節雄)、みらい創造二号投資事業有限責任組合からの第三者割当増資により、シリーズA2ラウンドの資金調達を実施しました。

     

   

2.投資先事業概要

NOVIGO は新たなイオン性脂質界面活性剤をもちいたナノ粒子によって、核酸やタンパク質などの有効成分を細胞や細胞外小胞に内包する技術を開発し、その展開を進めています。今回の調達を得てイオン性脂質を用いた細胞外小胞とのハイブリッドの開発と実用化推進に注力します。

イオン性脂質技術の特徴

  1. 細胞への有効成分導入
    • 従来は細胞内導入が難しかった抗体などのタンパク薬を細胞に導入できるようになるため、現在様々検討が進む細胞医療において細胞の機能化が可能になります。
  1. 細胞外小胞への有効成分導入
    • 細胞外小胞※1(以下:EVs)の内部に、新たに核酸やタンパク質を導入できます。ウィルスや他の導入法に比べて毒性懸念が低く、簡便且つ効率良く有効成分を導入可能です。生体由来であるEVs は従来の人工的なDDS※2 では送達・治療が困難な標的臓器(例えば脳内)への輸送・治療が期待され現在注目されているモダリティーです。本法はそうしたEVsの特性を生かしたDDS としての応用に利用価値が高いものと考えられます。

      ※1)細胞外小胞(Extracellular Vesicles:EVs)とは、細胞が分泌する脂質膜由来の小胞。主に細胞間のシグナル伝達を行う粒子で、産生される細胞によって生体内での輸送性は異なるため、天然のドラッグデリバリーキャリアとして知られる。生体適合性も高く細胞導入能も優れているため、近年非常に注目を集めている新たな創薬モダリティである。
      ※2)DDS(Drug Delivery System:DDS)とは、薬剤を目的とする患部へ必要な量、必要な時間で作用させるように適切な設計を施す技術。薬剤単体よりも効率よく送達することで副作用を最小限に抑え、有効性を高めることが可能となる。

薬剤の経皮吸収や臓器への薬剤送達など幅広い応用力を持つ独自DDS技術を有し、次世代薬剤治療の先駆者として更なる成長が期待されるNOVIGOを、今後も支援して参ります。

 

     

3.投資先会社概要

会社名NOVIGO Pharma株式会社
設立2021年1月22日
所在地福岡県福岡市西区九大新町4-1 福岡市産学連携交流センター
代表取締役石濱 航平
事業内容次世代経皮吸収製剤の開発・販売
URLhttps://www.novigopharma.co.jp/
種別九州大学発ベンチャー、高専関連ベンチャー(石濱代表取締役が北九州高専卒業かつ九州大学卒業)

      

   

4.みらい創造二号ファンド概要

みらい創造二号ファンドにおいては、東工大やLPの皆様、他の連携先と密に連携しながら、東工大関連ベンチャーの創出/投資/育成を進めると共に、高等専門学校へファンドによる支援領域を拡げ、東工大を中心とした技術・技術者によるイノベーション創発をより一層推進して参ります。

<投資対象>

  1. 東京工業大学“発”ベンチャー
    東工大が認定する東工大発ベンチャー称号を持つベンチャー、東工大の研究成果を活用したベンチャー、東工大と企業との共同研究から生まれるジョイントベンチャー
  2. 東京工業大学“着”ベンチャー
    東工大の技術・研究成果を導入、または導入予定のベンチャー
  3. 東京工業大学“人”ベンチャー
    東工大の在校生・卒業生・教員等が創業/役員として経営責任を担うベンチャー
  4. 高等専門学校関連ベンチャー
    高等専門学校(以下、高専)の技術・研究成果を活用したベンチャーや、在校生・卒業生・職員が創業/役員として経営責任を担うベンチャー
  5. その他の大学・研究所関連ベンチャー/企業からのスピンアウトベンチャー等有望な技術系ベンチャー

     

5.みらい創造機構会社概要

2016年に東京工業大学と社会連携活動の推進に向けた組織的連携協定を締結し、東工大関連ベンチャーキャピタルファンドを設立・運営しております。2016年に1号ファンド、2021年2号ファンドを設立し、東工大関連ベンチャーを中心に研究開発型スタートアップへ投資しており、現在までに3社が上場、3社がM&AでEXITしています。

JST START事業の事業プロモーターとして活動している他、GTIE協力機関、メンターを務める等、研究段階から起業後の資金調達、ハンズオンまで、技術の社会実装に伴走し”みらいを創造する”活動を行っています。

2023年度NEDO「大学発スタートアップにおける経営人材確保支援事業(MPM)」に採択され、客員起業家(EIR)制度を運用しながら、研究開発型スタートアップへの経営人材供給・育成にも取り組んでいます。大学系VCや中小機構、北九州市、つくば研究支援センターと連携協定を結び研究開発型スタートアップをとりまくエコシステム形成を進めています。

カテゴリ VC