1.投資概要
株式会社みらい創造機構(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:岡田 祐之、以下、みらい創造機構)は、みらい創造二号投資事業有限責任組合(以下、みらい創造二号ファンド)より株式会社グリーンケミカル(所在地:神奈川県横浜市、代表取締役社長:岩越万里、以下グリーンケミカル)に追加投資を実行致しました。
グリーンケミカルはこの度、新規投資家として東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社、および既存投資家であるみらい創造機構を引受先とする第三者割当増資により、プレシリーズAラウンドにて総額1.7億円の資金調達を実施しました。
2.投資先事業概要
グリーンケミカルは、東京工業大学、東北大学との共同研究で開発中の革新的な触媒と生産技術により、非可食バイオマス資源である糖から有用な芳香族系化合物であるHMF(5-ヒドロキシメチルフルフラール)の製造・工業化に取り組んでいます。
HMFは医薬品や機能性食品としての利用が期待されているのみならず、多様なカーボンニュートラル化成品のビルディングブロックとなる化合物です。HMFを中間体として、PET(ポリエチレンテレフタレート)のバイオマス代替品として知られるPEF(ポリエチレンフラノエート)の原料であるFDCA(フランジカルボン酸)の製造が可能です。今後はHMFとFDCAのスケールアップ製造と、HMFから変換できる高付加価値製品の製造技術開発に取り組み、事業の拡大を目指します。
日本国内を始め、世界各地で豊富に存在する非可食バイオマス資源を原料に用いることで、地域活性化と循環型社会へ貢献します。今回の第三者割当増資で調達した資金を通して、新規人材採用により事業開発と研究開発をさらに加速させ、パートナー企業との協業を通したベンチスケールでの実証実験により、技術の社会実装を推進していきます。
東京工業大学、東北大学、企業様を含め国内の多様な技術・パートナーと連携しながら技術開発と社会実装を進めるグリーンケミカル社を今後もご支援して参ります。
3.投資先会社概要
会社名 | 株式会社グリーンケミカル |
設立 | 2018年10月23日 |
所在地 | 神奈川県横浜市西区北幸1-11-1 水信ビル7F |
代表取締役 | 岩越 万里 |
URL | http://green-chem.jp/ |
東工大関連 | 東工大発ベンチャー称号 第88号 |
4.みらい創造二号ファンド概要
みらい創造二号ファンドにおいては、東工大やLPの皆様、他の連携先と密に連携しながら、東工大関連ベンチャーの創出/投資/育成を進めると共に、高等専門学校へファンドによる支援領域を拡げ、東工大を中心とした技術・技術者によるイノベーション創発をより一層推進して参ります。
<投資対象>
- 東京工業大学“発”ベンチャー
東工大が認定する東工大発ベンチャー称号を持つベンチャー、東工大の研究成果を活用したベンチャー、東工大と企業との共同研究から生まれるジョイントベンチャー - 東京工業大学“着”ベンチャー
東工大の技術・研究成果を導入、または導入予定のベンチャー - 東京工業大学“人”ベンチャー
東工大の在校生・卒業生・教員等が創業/役員として経営責任を担うベンチャー - 高等専門学校関連ベンチャー
高等専門学校(以下、高専)の技術・研究成果を活用したベンチャーや、在校生・卒業生・職員が創業/役員として経営責任を担うベンチャー - その他の大学・研究所関連ベンチャー/企業からのスピンアウトベンチャー等有望な技術系ベンチャー
5.みらい創造機構会社概要
2016年に東京工業大学と社会連携活動の推進に向けた組織的連携協定を締結し、東工大関連ベンチャーキャピタルファンドを設立・運営しております。2016年に1号ファンド、2021年2号ファンドを設立し、投資実績としては、東工大関連ベンチャーを中心に研究開発型スタートアップへ現在までに45社への投資を実行し、3社が上場しています。
JST START事業の事業プロモーターとして活動している他、GTIE協力機関、メンターを務める等、研究段階から起業後の資金調達、ハンズオンまで、技術の社会実装に伴走し”みらいを創造する”活動を行っています。
2023年度NEDO「大学発スタートアップにおける経営人材確保支援事業(MPM)」に採択され、客員起業家(EIR)制度を運用しながら、研究開発型スタートアップへの経営人材供給・育成にも取り組んでいます。大学系VCや中小機構、北九州市、つくば研究支援センターと連携協定を結び研究開発型スタートアップをとりまくエコシステム形成を進めています。